UBS グループ「釜石コミュニティ復興支援プロジェクト」

岩手県釜石市における、地域コミュニティの再活性化、住民主体の取り組みを支援するエンパワメント・プロジェクト。

UBS グループ
UBS証券株式会社 コミュニティ アフェアーズ & ダイバーシティ エグゼクティブ ディレクター堀 久美子

支援プロジェクトの概要コミュニティ支援

岩手県釜石市における、地域コミュニティの再活性化、住民主体の取り組みを支援するエンパワメント・プロジェクト。パートナー団体 RCF への助成により釜石市に常駐の専門スタッフを配置。UBS 社員ボランティアがマンパワーや専門性を提供し、地元の若手事業者の方たちのネットワーク「NEXT KAMAISHI」と共に「釜石よいさ」夏祭りの復活、車いすやバギーでも登れる「避難道づくり」、地域住民の方への聴き取りを重ねた「共同体の記憶と記録を綴る震災本」の発行等、地域ニーズに即した支援を継続している。
地域の自発的な行動を引き出し、震災前よりも市民活動が活発になり、セクターを超えた連携が生み出される地域をつくることを目指す。

プロジェクト詳細はこちら
  • 支援のナレッジを学ぶ
  • プロジェクト担当者
    インタビュー
  • Q1プロジェクトの概要を教えてください

    岩手県釜石市における、地域コミュニティの再活性化、住民主体の取り組みを支援するエンパワメント・プロジェクト。パートナー団体 RCF への助成により釜石市に常駐の専門スタッフを配置。UBS 社員ボランティアがマンパワーや専門性を提供し、地元の若手事業者の方たちのネットワーク「NEXT KAMAISHI」と共に「釜石よいさ」夏祭りの復活、車いすやバギーでも登れる「避難道づくり」、地域住民の方への聴き取りを重ねた「共同体の記憶と記録を綴る震災本」の発行等、地域ニーズに即した支援を継続している。
    地域の自発的な行動を引き出し、震災前よりも市民活動が活発になり、セクターを超えた連携が生み出される地域をつくることを目指す。

  • Q2プロジェクト開始の経緯を教えてください

    災害時における自社ポリシーに基づき、提携するパートナー NPO / NGO 団体と共に災害直後から緊急支援活動を実施。パートナー団体の業務支援や現地への社員ボランティア派遣等を行った。


    平行して現地ニーズ調査を実施後、2011 年 Q2 に 5 ヶ年計画を策定。発災直後の緊急期・復旧期から復興のまちづくりへとフェーズ移行のタイミングで、コミュニティ再生の支援を本格化し始めた。

  • Q3発災後約 3 ヶ月での計画策定やその後のテーマ設定は非常にスピーディーです

    世界 50 カ国余で事業を展開する UBS グループでは、東日本大震災前よりハイチやフィリピン、スマトラなどでの災害に対して中長期のコミュニティ再生を軸とした支援活動を行って来た経験があったこと。そして、社会貢献を行う上での 3 つの行動原則があったことが背景にある。
    行動原則は「地域で非営利組織とのパートナーシップ」のもと「長期・持続可能な活動」に取り組み、そこに「UBS 社員が参画する」という 3 つ。2011 年 6 月の時点では、まず対象地域やタイムライン、5 年間のフェーズを主に 4 つに分け、フェーズごとに対応すべき課題やスケジュールなど枠組を策定した。

  • Q4プロジェクト予算はいくらですか

    震災直後から社内に呼びかけ、総額 4 億円の寄付を集めた。スイス本社や日本法人からの寄付金に加え、3 月 18 日には証券取引の手数料の一部を寄付する取り組みを顧客の支持を得て実施。また、全世界の UBS グループ社員からの寄付金と、その同額を会社が上乗せするマッチング寄付を行った。


    資金の活用は、震災復興のための特別委員会を日本およびアジア太平洋地域オフィスの経営層で構成。フェーズごとに日本オフィスから計画、予算と KPI をまとめた企画書をあげ、特別委員会が意思決定する形で進めている。

  • Q5プロジェクトはどのように立ち上がっていきましたか

    ポリシーに基づき、地域ニーズや支援状況の把握分析、非営利団体パートナーの選定から行った。緊急時、復旧期、復興期では求められる専門性が異なり、また地域によってニーズも異なる。様々な地域、パートナー候補団体と会話を重ねていった。

  • Q6パートナー選定はどのように行いましたか

    どの地域でどのような活動をしているのか。その実行力や、情報収集・分析力やネットワーク、人材力と専門性などを総合的に判断した。結果、岩手県釜石市でコミュニティ再生支援活動を行う一般社団法人 RCF(以下 RCF )と 2012 年 7 月に契約を締結。決定プロセスの最初から中心となるボランティア社員の中心メンバーが参画し、パートナー団体が「ダイバーシティ(多様性の尊重)」、「インテグリティ(誠実・統一性)」などの UBS が大切にする価値への共感を重視。また地域住民の意思を尊重し、外部から押し付けず、自律・自立を支援する進め方について事前に合意した。

  • Q7どのようにプロジェクトは形成されていきましたか

    震災直後から被災地には多くの人材支援も入ったが、情報の分析・共有、連携や分担が難しく、地域ニーズとの乖離があるといった課題があった。まちづくりにおいても、市民セクターのリーダーが少ないことや、住民同士が協働するための支援が必要という課題が見えていた。


    そこで RCF への助成で地域に「コーディネーター」を常時 3 - 4 名配置した。釜石市唐丹地区を皮切りに、現在までに釜石市全域、および山田町において仮設住宅自治会の形成、復興支援員の導入や基盤強化、観光・産業分野の振興にわたる幅広い支援に拡げている。

  • Q8現地とはどのように関係を構築しましたか

    何度も訪問を重ね、相手の現状やニーズを細やかに汲み取り、信頼関係を構築して、伴走できる体制にした。地域再生、まちづくり主人公はあくまで地域の方たち。自分たちがやりたいことをやるのではなく、地域のやりたいことの実現をお手伝いする、その姿勢を貫くことが大切。


    また長期にわたる支援活動では、関わる社員たちが代わっていくこともあるが、個人の信頼関係に加えて組織としての信頼構築を、という視点を RCF とともに強く持って来た。簡単ではないが、組織として責任を持った行動を心がけた。

  • Q9具体的にどのような事を行いましたか

    地域主体のさまざまなプロジェクトを支援した。たとえば、震災で中断を余儀なくされた地域のお祭り「釜石よいさ」の復活へ向けては、地元の若手経営者を中心に形成された団体「NEXT KAMAISHI」とともに実行委員会を立ち上げた。資金調達方法から市民 100 人への街頭インタビュー、当日の運営まで実行委員会の一員として UBS 社員ボランティアや RCF が協働した。お祭りの踊りを地域の中学生などにも踊ってもらえるよう、練習用映像の製作や、イベント後の地元新聞掲載用の御礼広告文案の用意をはじめ、成功に向け細やかに伴走した。


    また、釜石市の「釜石リージョナルコーディネーター(通称「釜援隊」)」、復興支援員制度の導入・設計、マネジメント支援も行った。まちづくりや、観光、産業等の分野において、これまでに 20 名ほどが活動している。唐丹地区から始まった RCF「コーディネーター」の知見を活用し、広げるための仕組みと言える。

  • Q10どのような目的・目標を設定しましたか

    定量、定性問わずに、テーマごとに具体的な評価指数設計・設定した。たとえば、復興まちづくりの合意形成に向けては「キーパーソンの把握」「(復興に向けた話合いのための)横断的な組織体制の整備」「女性や若者など多様な主体の意見が取り入れられていること」などの項目を設定し、地域ごとにその進捗を定期的に確認した。この指標は当初 17 項目設定され、フェーズによって内容や形態は見直しを行っており、UBS と RCF 間の契約書にも明記されている。

  • Q11成果を出すためにどのような工夫をしましたか

    2014 年 6 月には釜石市、RCF とともに、「復興のまちづくりに向けた共同宣言」を発表した。具体的なプロジェクトは既に進行していたが、釜石市民の皆さんに対して改めて宣言することで、コミットメントを表明するとともに、異なるセクターの関係者間協働の推進へとつなげた。他の地域にもこうした連携が拡がってほしいと思う。

  • Q12社内はどのように巻き込みましたか

    UBS コミュニティアフェアーズ(社会貢献)担当に加え、「チャンピオン」と言われる常時 5 名程度の社員ボランティアが中心メンバーを構成。チャンピオンはパートナー団体 RCF との契約から、プロジェクトの進捗管理やレビュー、運営執行まで担っている。


    また震災直後から「UBS Team Tohoku」 というボランティア社員ネットワークを形成。日本法人内、およびアジア太平洋地域各地のオフィスから参画した社員は百数十人規模になっている。震災から 5 年が経つ今も、釜石支援の輪が拡がり続けている。2011 年 3 月からの 5 年間で、のべ 799 名の社員が、23,262 時間のボランティア活動を実施した

  • Q13社員の皆さんは何故そんなに積極的なのでしょう

    経営陣が率先して参加し、自らのチームに積極的に働きかけている。そして、社員にも社会貢献の価値が認識されている。2008 年以降、特に業界全体にとって厳しい時代には「今、ボランティアなんて」という声も聞かれたが、「今だからこそ、企業市民として社会への責任を果たす」と継続してきた。


    グローバル金融機関という厳しく成果が求められる世界で、常にベストをつくす社員達ということもあるだろう。あらゆることに全力投球で、人生によい意味でどん欲。私たちは「美味しい・楽しい・新しい社会貢献」をめざすとも言っているが、釜石で美味しい山海の幸をいただきながら、「震災を経たからこそ」出会えた地域の人々との信頼構築、そこから生まれる新たな挑戦やセレンディピティ(思いがけない発見や広がり)への期待もあるだろう。参加した社員ボランティアたちの多くは、「大きな困難を経験した後も、将来への希望を持つ釜石の人たちの姿勢に感銘を受ける」というものだ。


    運営側として継続的なつながりを設計するにあたっては、「何故、何のために」を明確にすることも心がけている。自身の貢献とそれによる変化を実感してもらうことは重要だ。その先に長期的な人間関係が構築され、このプログラムが終了した後にも釜石に関わった人たちにとっての財産となってほしい。

  • Q14社会貢献活動への理解が他社に比べて進んでいるようです

    2007 年から日本オフィスにも専任者のポストを新設し、ボランティア参加率は 6% から 65% まで向上した。一因には、社会貢献活動をすることが、ネットワークの拡大、チーム力の向上や多様な主体との協働経験など、自身のビジネスに価値をもたらすことを丁寧に伝え、実践してきたことがある。


    2015 年から「UBS and Society」という部門が本拠であるスイスに置かれ、商品、サービス、リサーチ、事業推進における環境配慮から社会貢献にいたるまで、UBS と社会のあらゆる接点を、特に企業責任とサステナビリティの観点で再編する取り組みを行っている。

  • Q15今後の展望を教えてください

    5 ヶ年計画の終了まであと 1 年を切った。プロジェクトは佳境に入り、今後は「教育」「アントレプレナーシップ」「コミュニティ再生」をテーマに、釜石に持続可能な取り組みを残していけるよう、よりフォーカスを高めていく。


    例えば教育においては 2015 年 11 月から「釜石コンパス」という新プロジェクトを開始した。釜石の全高校生へ、市内外の様々なキャリアを持つ人々の話と出会う機会を提供し、自身の視野と可能性を広げ、将来を展望し、自ら考え行動する力を醸成するキャリア教育プログラムだ。今後さらに様々なネットワークやリソースを活かしながら、釜石の未来に資するプログラムを推進していきたい。


    ※UBS グループについて
    150 年余の伝統を誇る UBS は、スイスのチューリッヒに本拠を置き、世界の主要金融市場を含む 50 カ国以上で事業を展開する総合金融グループです。日本においては 2016 年に設立 50 周年を迎え、UBS 証券株式会社、UBS 銀行東京支店、UBS アセット・マネジメント株式会社の三法人を通じて、法人・機関投資家および個人富裕層のお客様向けに様々な金融商品とサービスを提供しています。

支援ナレッジを見る

その他の コミュニティ支援 プロジェクト

支援プロジェクト一覧へ
ページトップへ