日本ゼトック株式会社「東北応援プロジェクト」

東北 3 県の未利用素材や地場企業のブランド力を生かした化粧水開発で、地元に愛される商品をつくり地域活性化に貢献。

日本ゼトック株式会社
マーケティング企画開発部 部長大谷 浩淑

支援プロジェクトの概要地域産業支援

岩手県、宮城県、福島県との連携による、主に基礎化粧品を中心とした商品開発での地域ブランド化支援を 2013 年 10 月から行っている。地元の素材や地場企業のブランド力を生かしつつ、当社が OEM 事業で培った技術をもって商品づくりをする。地元の女性も商品企画・開発に参画し、協働でモノづくりを進めるのが特徴で、商品を通じた地域活性化への貢献を目指す。

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  • Q1プロジェクトの概要を教えてください

    岩手県、宮城県、福島県との連携による、主に基礎化粧品を中心とした商品開発での地域ブランド化支援を 2013 年 10 月から行っている。地元の素材や地場企業のブランド力を生かしつつ、当社が OEM 事業で培った技術をもって商品づくりをする。地元の女性も商品企画・開発に参画し、協働でモノづくりを進めるのが特徴で、商品を通じた地域活性化への貢献を目指す。

  • Q2プロジェクトはどのように始まりましたか?

    当社経営陣が東北 3 県(岩手、福島、宮城)に訪問し当社が何で貢献出来るか探索するきっかけを創った。現地からの「物資の支援ではなく地域活性化に一役買って欲しい」という声を受けて、東北応援を全社的に行うことを事業方針として定め、社内で事業企画案が募られた。
    そこで、化粧品開発を当社が担い、原材料となる素材や、販路開拓については東北の地場企業が持つ強みを活かして地域ブランドとなり得る商品をつくりだしていくことで、地域活性化につながるのではないか、と提案。マーケティング企画開発部は日々の業務においても他の部署との連携のハブとなっているため、社内戦略の一環として全社的に本事業を進める上でも一番動きやすかった。
    また、「ゼトックスタイル」という自社商品のラインナップとして「東北応援」を掲げた商品をつくり、自社オンラインショップでも販売するなど、商品の企画・開発というモノづくりの部分だけでなく、流通までの全プロセスにおいてフルサポートする体制を敷いた。
    そして、具体的な企画案を持って改めて 3 県を訪問。福島県庁から「日本酒でなら何かできるのではないか」とほまれ酒造(株)様をご紹介いただき、第一弾として商品づくりに取り組んだのが「会津ほまれ化粧水」だった。

  • Q3このプロジェクトの企画・立ち上げで工夫されたことについて教えてください

    プロジェクトマネジメントは取締役社長室長とマーケティング企画開発部長で担いスピーディーな決済ができる体制を整えつつ、地場企業との連携においては慣れた人間を登用するのではなく、新しい若手人材を投入した。それぞれの地場企業との調整を一つのプロジェクトチームが一括して担うのではなく、案件ごとに平行して複数チームで走らせ、横でのフォローがしあえるよう心がけた。
    プロジェクトの立ち上げ時には、当社の活動に対する理解を得るための実績がまだなく、「会津ほまれ化粧水」を作る過程で経験を積み上げていった。開発にかかるイニシャルコストは自社負担で、商品が売れていき結果的に赤字にならなければいい、という見立ても、会津ほまれ化粧水を作りながら見えてきたことだった。

  • Q4立ち上がったプロジェクトを進めていくために具体的に行ったことを教えてください

    まず、県庁を訪問し、地元の魅力ある未利用資源や企業の情報を収集。可能性のある地場企業各社を訪問し、事業概要を説明した。協業先となる企業は、新たなオリジナル商品の開発に意欲があること、自社の既存の販売網を活かせること、化粧品に応用できそうな原料があることが、求められる要素となる。
    実際に共同開発を進めていく段階では、相手企業との定期的な打合せを持つことで段階的に商品を具体化することができた。その中で特に意識したのが次の 3 点。
    1 点目は、スケジュールを細かく切っていったこと。プロジェクトの立ち上げに当たっては、ユーザ目線での商品開発をと、互いの女性スタッフだけで構成されたチームを結成。このプロジェクトチーム立ち上げの段階で既に、新商品の発売をいつにするかというゴールが共有され、処方や香り、容器など一つ一つのステップを細かく切り、スケジュール重視の開発を進めた。2 点目は、当社と相手企業のそれぞれにリーダーとなる人物を定め、窓口を一本化した。東京と遠隔地の間で進められるプロジェクトだけに、迅速な情報共有が不可欠だった。そして 3 点目が、月 1 回のペースで行われたフェイス・トゥ・フェイスでのミーティング。どういう人たちに商品を届けたいか、どういう商品にしたいかというイメージを共有することは重要で、都度確認し、共有していたつもりでも、そのイメージに乖離があると合意形成に時間がかかるので、対面での会話を心がけた。

  • Q5プロジェクトの成果・課題について教えてください

    福島県では、喜多方市のほまれ酒造(株)との共同開発で、日本酒「会津ほまれ」を 60 %配合した「会津ほまれ化粧水」を 2015 年 3 月に発売。化粧水でありながら地元の酒屋から売れ始めて口コミで広がり、通販で全国展開もし、現在までに 16 万本という驚異的な販売実績となった。また、喜多方ツアーのお土産として用いられるなど、地元で引き立てられている。
    岩手県では、岩泉町の岩泉乳業(株)と(株)岩泉産業開発との共同開発で、日本三大鍾乳洞の一つ「龍泉洞」の湧水を使った「ミネラル天然水から生まれた龍泉洞の化粧水」を発売。2016 年 6 月 25 日にお披露目したばかりだが、既に初回ロット数が完売し、追加生産に入っている。両社の代表取締役である、山下社長からは「開発チームに関わった女性社員が、ものづくりの誇りを持って売っている」との声を頂き、地域人材の活性化にも貢献できた。
    宮城県では、登米市にあるラムサール条約の登録湿地でもある伊豆沼の蓮から抽出された「ハス花エキス」と、農業生産法人 有限会社伊豆沼農産の「乳酸菌配合甘酒」を使った「はす肌」化粧水とクリームを 7 月 11 日に発売した。蓮は繁茂し過ぎると水質汚染につながるため、定期的に刈り取らなければならない。その未利用資源を活用し、更に販売収益の一部は伊豆沼の環境保全に使われる、環境循環型の商品となった。
    3 商品それぞれに地元で愛され地域活性化に役立てられている。

  • Q6成果や課題を踏まえ今後の展望について教えてください

    東北 3 県(岩手、福島、宮城)において商品化が実現した。現在、成果・課題両面での振り返りと整理をしている。それを踏まえた上で、今後も当社の経営戦略として、継続的な応援活動にする方針である。また、海外への販路展開も視野に入れている。
    本プロジェクトは、相手企業の持つ資源を活かして協働でモノづくりをする、という、これまでの OEM 事業とも自社商品開発とも異なる、その両方の要素を備えたアプローチであり、当社にとって新たな経験にもなっている。
    このプロジェクトでの経験をモデルとして、アジアの支社を含めて、東北以外でも異業種コラボレーションを事業化していきたい。

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